NHMT.jp国立病院臨床検査技師協会東海北陸支部

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お知らせ一覧 : 平成27年度支部長あいさつ
投稿者 : matsuikazuki 投稿日時: 2015-10-01 00:00:00 (918 ヒット)

平成27年度支部長あいさつ

 
国立病院臨床検査技師協会東海北陸支部 支部長 矢田啓二
 
 錦秋の候、時下ますますご清祥の段、お慶び申し上げます。平素は国臨協東海北陸支部の活動に格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
 
 さて、平成27年9月5日、名古屋医療センターにて国臨協東海北陸定期総会を開催し、平成26年度事業報告、平成27年度事業方針案の審議、承認をいただき、また役員改選を経て新執行部発足の運びとなりました。今年度も昨年から取り組み始めた遺伝子分野の強化と各種研修会開催を中心に、旧年度同様、学術的分野に重点を置いた活動を行いたいと考えております。
 秋になり、スポーツ界は活気をおびておりますが、今一番の注目はラグビーのワールドカップイングランド大会でしょう。世界ランク3位の南アフリカをノーサイド直前に逆転し、日本チームの番狂わせをもたらしました。エディジョーンズHC氏が他を追随しない過酷なトレーニング選択し、反復練習を「ルーティン」化することによってあらゆる状況にも対応できる知力と体力を選手に植え付けた結果と言えるでしょう。検査関連のルーティン業務とは少し意味合いが異なりますが、当たり前のことを当たり前に行うことは、簡単なようでなかなかできないことです。普段から検査結果に対する精度管理、分析力を養い、異常が出た時に筋道を立て、その原因とデータの分析を行い、どの様に対応するかが臨床検査技師のルーティンワークではないでしょうか。
 
 今、臨床検査技師界では大きなプロジェクトが2件実施されております。
 一つは「検査説明のできる臨床検査技師の育成」です。これは国臨協が主体となって行っていた事業を日臨技に引継ぎ、現在は全国の県技師会で講習会が開催されています。臨床検査技師の知識は、専門性が高く、この専門知識を患者様へ医師や看護師に代わり説明することは病院で存在感を示す絶好のチャンスです。今後、検査説明は在宅医療が進むうえでも必要な対応と思われます。
もう一つは、「臨床検査技師ができる検体採取業務の拡大と生理部門での味覚検査、嗅覚検査」です。採血業務が臨床検査技師主体となってまだ、10年ほどですが、検体検査業務の精度は格段に高まり、検体採取から結果報告まで責任を持つことは検査技師として大きな責務となりました。今後は、検体採取から結果報告、説明まで担うことにより、臨床検査技師として今以上に認知されていくことでしょう。
 
 支部活動で取り組んでいる遺伝子検査は、臨床とも直結する分野として、コンパニオン診断やPHC(Persolized Health Care:個別化医療)によって、益々精度の高い検査結果を要求されることになります。臨床検査技師としてその情報を享受し、同じ医療従事者としてどのように理解し何処まで携われるかは今後の我々の立場にも関わると思われます。一人でも多くの会員の皆さんが遺伝子分野に更に関心を持ち、取り組んでいただけることを期待しています。
 チーム医療を実施していく中で、其々の職種の専門性を提供することは、一段と医療の質が向上に繋がることは言うまでもありません。検査部門では、微生物認定技師に資格手当が付与されており、一定の評価を受けています。今後、機構本部に貢献出来るであろう認定資格を積極的に働きかけていきたいと考えております。手当がつくのを待っているのではなく職に必要な資格取得のための養成をも行っていくことで更にアピールできるものと思います。
 
 安倍政権が新たな3本の矢として掲げた「全ての人が活躍できる社会」の構築には傾聴させられる面がありますが、女性技師比率の高まりに併せ、女性・男性の働きやすい職場つくりも国臨協の検討事項になっております。本部とともに組織としてどのような対応が可能か、何ができるかを模索し、すべての会員が少しでも働きやすい職場つくりを提言したいと思います。
 また、昨年度は支部から学術賞を授与しましたが、良い職場条件は良い自己研さんの場ともなりますので今後も多くの方々が多方面で研究や学会発表、資格取得、論文作成に勤しみ、受賞されることを期待しております。
 
 最後に国臨協の事業は理事が主体として行うわけではなく、役員は会員の皆さんを支え、有益な情報を吸収していただくことで会が活性化されます。我々は皆さんが参加しやすく有益と思える企画を計画し、多くの方に還元することが責務と考えます。今後も忌憚のないご意見をいただき、皆さんとともに支部を活性化して参りますので、ご協力を宜しくお願いします。